ブラジルチェリー

ブラジルチェリーの実が成っています

原産地:ブラジル
科名:フトモモ科
学名:Eugenia uniflora
英名:Surinam cherry, Cayenne cherry
他:ピタンガ


はじめに・・・
家の庭にブラジルチェリーを植えたのは20年ほど前です。 とてもきれいな常緑低木で、サクランボのような赤い実がたわわに成る様は遠くからでも目立ちます。 落ちた種子から簡単に発芽し手入れも簡単なため、あっという間に広がり、 今ではあちこちの庭に植えられているのを見かけます。

原産地がブラジルなのでブラジルチェリーと呼ばれていますが、世界の熱帯地域各地で栽培され、 スリナムチェリー、カイエンヌチェリー、ピタンガなどの名前があります。和名はタチバナアデクまたはカボチャアデク。 投げ捨てた果実からも簡単に発芽し庭中ブラジルチェリーだらけになってしまうほど発芽力は強く、 2〜3年で人の高さくらいに成長し実をつけます。 乾燥に強いが水やりを十分にした方が成長は良いようですが、 放っておけば徒長気味になって、樹形が乱れるので、まめに剪定をしなければなりません。 適温は10度C以上といわれていますが、熱帯果樹にしては低温、高温のどちらにも幅広い適応性があり、 0度でも大丈夫という説も聞きますが、実際のところはどうなのでしょう。 特に病害虫もなく、とても育てやすい果樹の一つです。

人によっては何年経ってもまったく実がならないという話を聞きますが、運がよければ2〜3年で実がつくし、 いったん実がつき始めると条件さえ良ければ年に何度も実を付けます。 イスラエルでは一本の木に10キロ以上も収穫した記録もあるそうです。 宮古島では春の3〜4月頃が一番多く結実します。それ以外は花が咲いても台風でやられてしまい、多くの収穫はあまり期待できません。 甘く香りの良い白い小さな花が咲いた後、1ヶ月程後に2.5cm〜3cmくらいの実が成ります。 成熟した果実は多汁で軟らかく適度な甘みと酸味があるので私は好物なのですが、少し樹脂臭がすると言って人によっては好まない場合もあります。 この樹脂臭は未熟果の場合にあるようで、完熟した果実だと消えます。 また、ブラジルチェリーには二種類の品種があり、輝くような明るい色の果実よりも、暗い真紅の色のものの方が甘みがあり、樹脂臭は無いとも言われています。 病害虫は無いといいましたが、ブラジルチェリーの実はカタツムリの好物なので、この時期は気をつけなければなりません。


ブラジルチェリーの果実 利用方法
果実はカルシウム、ビタミンC、鉄分などのビタミンが豊富で、 ブラジルではジャムにしたりゼリーやアイスクリームの原料として利用されます。 また、果汁を発酵させて酢やワインとしても利用されます。 日本では酢やアルコール飲料を作ることは法律に触れるので、果実酒にして楽しむ方法があります。 私はジャムや果実酒を作りましたが、すっごく美味しかったです♪ 次はソースを作ってドレッシングや料理に使ってみたいと計画しています。
ブラジルチェリー3カップ
酢3/4カップ
砂糖3/4
水3/4

この果実は果皮が薄く持ちが悪いので生果の流通は不可能でしょう。 しかし、ジャムやプレザーブとして加工するならまだまだ将来性はあるものと思います。 果実の利用以外には、木の幹に20%以上ものタンニンが含まれているので収斂性があり、 皮をなめすのに使われます。 葉には独特の刺激性の精油が含まれているため、ブラジルでは家の床に葉を敷いてその上を歩くことによって、 香りを発させて虫除けに使われることもあるそうです。効果があるかどうかいつか試してみたいものです。 また民間療法にブラジルチェリーとレモングラスと組み合わせてお茶にし解熱剤として利用することもあるそうです。


2006年7月25日


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